ランドセルのきおく

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春の入学シーズン

 
通い慣れた道や近所の公園にサクラの花が咲き始めるこの季節、入学シーズンと重なっていますが皆さんは何を思い出しますか?

小さなお子さまがいらっしゃる方でしたらもしかすると、小学校に入学するための準備としてお子さまのために「ランドセル」を初めて贈られているかもしれませんね。

今回はウェディングから少し離れて、「ランドセル」についてお話しいたします。

 

歴史は幕末から

 
「ランドセル」の歴史は幕末時代まで遡ります。元々は幕府が西洋式の軍隊制度を導入するのに合わせて兵士たちの携帯品を収納する「背嚢(はいのう)」と呼ばれる背負い鞄をオランダから輸入して支給したのが始まりでした。

この背負い鞄はオランダ語で「ransel(ランセル)」と呼ばれていましたが、その呼び名がいまの「ランドセル」になったと云われています。

 
通学用の鞄として使われ始めたのは明治時代に入ってからで、戦前は贅沢品だったため都市部の富裕層の間で使用されていました。当時の「ランドセル」はリュックサックのような形をしており、貧しい地方部の一般庶民の間では布製の肩掛け鞄が主流でした。

現在の「ランドセル」のような厚みのある形になったのは戦後、昭和30年代「高度成長期」を迎えた頃からだと云われています。

 
日本の戦時下の影響を受けてきた「ランドセル」ですが、近年は日本のアニメやカルチャー・ムーブメントの再燃もあって米国の有名女優が赤い「ランドセル」を背負った写真が世界中に出回ったのをきっかけに、「ランドセル」がファッション・アイテムとして注目を浴び始めています。

でもやはり、ピカピカの「ランドセル」が似合うのは入学を迎えたばかりの小学1年生たちですよね。

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