サーカディアン・リズム

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体内時計

 
暦上では「立春」を迎えましたが肌寒い日はまだつづいています。でも時節を告げるタイミングがいつも早いのはどうしてでしょう? 実はそこには私たちが日常で活動したり休んだりする生活リズムと、地球や太陽といった天体の自転・公転運動が密接に関係しています。私たちの体には一日を計測する“サーカディアン・リズム”という、いわゆる体内時計が備わっているのを皆さんはご存知でしょうか?

 

太陽と脳の関係

 
地球の自転は一日で24時間と決まっていますが人間の体内時計は、ぴったりと定まっておらず人によって23~25時間とズレがあります。太陽がまったく当たらない部屋で過ごしつづけると人間の体内時計の違いは、ズレた分だけズレが広がってゆくことが実験によって判っています。こうした体内時計のズレを調整・リセットしているのが太陽光です。太陽光は交感神経系を刺激し脳を覚醒に導く役割を担っています。

 

セルフ目覚まし

 
目覚まし時計がなかった江戸時代の人びとは体内時計が一定ではなく、曖昧なものだと知っていたので緊張して眠ったと云われています。そのせいか季節の移ろいについても大変敏感だったと云われています。時節を告げるタイミングがいつも早いと感じるのは現代人だけで、昔の人びとは風の冷ややかさを肌で感じとりながら秋の到来を知って、草木の芽吹きを見留めながら春の訪れを理解していたわけです。

人間の“サーカディアン・リズム”が一定ではなく曖昧なのは、一説によれば外因的なトラブルが起きたときの「備え」だと云われています。生物進化の過程で厳しい生存競争を勝ち抜いた人間のDNAには、“緊張感を保つ”ようなプログラムがセットされたことになります。ウェディングを直前に控えている方がいらしたら、緊張感が増す話しですが、挙式当日にうっかり寝坊ってことがないように、くれぐれもご注意を。

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