ひょうたんと暮らす

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やさしいフォルム

突然ですが、皆さんは「ひょうたん」と言えば、何をイメージしますか?

 
「瓢箪から駒」なんてことわざや「ひょっこりひょうたん島」などの作品、食器や酒器、七味の容器などの身近な生活用品もお馴染みです。
スピーカーや楽器に加工した商品を思い浮かべた方もいるかもしれませんね。縁起物としてお祝いや結婚式のアイテムなどに、たくさんモチーフとして使用されたりもしています。

 
そんな「ひょうたん」の歴史は古く、1万年以上前から栽培されていたと言われています。日本では、縄文時代にはひょうたんを栽培し、水筒などに加工して使われていたのではないかという研究結果があるそうです。
 
古くから人間と密接に関わってきたからか、伝承も多く、魔除け、子孫繁栄、商売繁盛、無病息災など、さまざまな事象の象徴とされ、いつの間にか、縁起が良いものとしてイメージされるようになりました。
 
末広がりの形をしているから、蔓が伸び果実が鈴なりになるから、種子が多いからなど……。
理由は諸説ありますが、かの豊臣秀吉が、戦に勝つ度に馬印の瓢箪を一つ一つ増やしたという「千成瓢箪」の伝説が、ひょうたんの歴史に華を添えたことは間違いありません。
 

幸福なイメージ

 
3つ揃えば「三拍(瓢)子揃う」、6つ揃えば「無病(六瓢)息災」という語呂合わせからお守りとして見かけたことがある方も多いでしょう。
 
大分県豊後大野市で800年以上続く「霜月祭」では三升のお神酒が入った大きなひょうたんを腰に下げ、赤い衣装をまとった「ひょうたん様」が村を練り歩き、お酒を振る舞います。
飲めば、家内安全や無病息災、五穀豊穣のご利益があるのだと言います。

 
現在のひょうたんは、生活に密着していると言うよりも縁起の良いモチーフや、アート作品として、目で見て愉しむことが多いようです。ひょうたんをくり抜き、穴をあけて模様を描いたひょうたんランプは穴から漏れるやわらかな光が何とも幻想的で癒されます。
 
ひょうたんに宿っている不思議な魅力を、皆さんも感じてみませんか?

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