美術鑑賞のきおく

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この世には、『名画』と呼ばれる作品が数多く存在しています。レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』やジャン=フランソワ・ミレーの『落穂拾い』、エドガー・ドガの『舞台の踊り子』やクロード・モネの『睡蓮』などが挙げられます。

 
オランダの風俗画家:ヨハネス・フェルメールは、現存する作品点数が三十数点しか残されていません。その一方でスペインを代表する画家:パブロ・ピカソは、その生涯で油絵や版画など数万点を世の中に残しています。けれどもそれら数多くの『名画』と直接、私たちが出会える機会は意外と少ないのです。

 
二昔前、高度成長期と共に日本人と日本企業は米国を中心にそれらの『名画』を買い集めました。ゴッホやルノアールなどが買いつけリストに入っていました。また、その勢いは絵画に留まらず骨董品や宝石類まで範囲を広げました。

 
そして、バブルの終わりと共にそれらの『名画』や美術品は今度は売りに出され各国の投資家のもとへと渡ることになりました。一枚の絵画に何億ドルもの高値がつくことも珍しいことではありませんでした。皆さんの中にはバブル時代に数少ない出会いとして、それらの『名画』と対面した方もいるかもしれません。

 
いま現在、このような逸話も少なくなりました。『名画』や美術品の買いつけは中国にマーケットを移して、以前のように高値で取引するような場面も影を潜めました。また、インターネットが普及した現代、私たちの美術鑑賞する方法も変わりました。大手検索エンジン Google が提供する「アートプロジェクト」では、同社とパートナー契約を結んでいるミュージアムの所有する絵画や美術品が、高画質でしかも無料で閲覧できます。

 
とはいえ、この秋は『名画』に限らず美術鑑賞をぜひ、その目で楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

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