夏の風物詩と云えば花火大会に海外旅行といろいろありますが、
みなさんが思い出す夏の『きおく』にはどんなものがありますか?
夏らしいと云えば 海水浴を思い出す人もいるかもしれません。
子どもの頃、両親に連れられて行った海水浴場はとても遠くに感じられたものです。
降りたこともない駅から海までの道中に露店がたくさん並んで、
ヨーヨーやアイスキャンディーあるいはかき氷をねだった人もいることでしょう…
やさしい両親はそんなあなたの姿を見て、露店で丸々一個の西瓜を買ってくれます。
露店のおばちゃんはあなたにこう云います。
「よく冷えた西瓜だよう。重たいけれど持てるかい?」
力強く頷いたあなたは両親の心配を他所に、
その重たい西瓜をまるで大事な物でも扱うように両手で受け取ると
海水浴場に向かって走り出します。
西瓜割りを楽しみたいあなたは一心不乱に走り、
やはり途中で転んで西瓜を落としてしまいます…
いまではカットされた西瓜がスーパーマーケットやコンビニエンス・ストアで
売っているのが当たり前になりましたが、
子どもの頃にこうした苦い経験を一つや二つした人もいるかもしれません。
大人になってその頃の話しを両親にした時、
「あの時、あなたに買ってあげたのは小玉の西瓜だったのよ。」
と新事実を告げられたりします。
苦くて甘い西瓜の『きおく』。
今日は西瓜を買って帰ってみてはいかがでしょう。