やさしいくうき

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残暑厳しい今日この頃。

35度を超える、いわゆる「猛暑日」が続きましたが、夏バテはしていませんか?
エアコンに頼りっぱなしで、体調を壊していませんか?

 

冷房機器が発達する前の時代、人々は夏の日差しをよしずで和らげ、
玄関には打ち水をして気温を下げるのが常識でした。

風鈴の音色に耳を傾け、金魚の泳ぐ姿に目から涼を感じながら
うちわや扇子で暑さを凌ぎます。

それでも暑ければ、川辺で涼しい風に当たったり
滝を眺めたり水遊びをしたりと「滝浴み(たきあみ)」を楽しむことも。

 

そんな当時の人々が行きたかったであろうスポットが、栃木県にあります。

 

1919年~1986年まで、実に70年近くの時をかけて大谷石を掘り出し
2万平方メートルもあるという、巨大な地下空間が出現。

坑内の1年を通した平均気温は、8℃前後。上着を羽織っても涼しいくらいです。
現在は「大谷資料館」の一部として、その地下採掘場跡を見学できます。

 

大谷石というのは、古くから外壁や石塀などに使われてきた石材のこと。

建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトが設計した、
旧帝国ホテルにも使用されたことで知られています。

 

深さ30メートルという採掘場跡へ降りていくと、
歩を進めるごとに空気がひんやりとしていくのを感じます。

そして、広大な空間と、見渡す限りの岩肌。
まるで神殿の様のような、厳かで幻想的な雰囲気。

外の暑さを一瞬で忘れさせてくれる、神聖な空気が私たちを包んでくれます。

 

ちなみに、中には教会も作られていて、結婚式を行うことができるそう。
一生忘れることのない、特別な時間になりそうですね。

 

文中でご紹介した「大谷資料館」はこちら
http://www.oya909.co.jp/

 

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