古くから受け継がれてきた日本の伝統工芸品「和紙」
一般的な紙が木質繊維で作られているのに対して、楮(こうぞ)、みつまた、雁皮(がんぴ)といった植物の靭皮繊維(じんぴせんい)が材料。繊維が太く長いので強度があり、保存性能が高いことで知られています。
独特の手触りや優しい風合いは、日本人なら誰もが知るところですね。障子や屏風など日本家屋の中や、扇子、提灯、傘など様々な物に使われ日常に欠かせないものとして、私たちの生活にずっと寄り添ってきました。現在も、折り紙や箸袋などに用いられる千代紙や和菓子の包装紙、書道用の半紙などあちこちで目にしますし、少し意外なところでは日本紙幣も和紙が原料です。また、その薄さと耐久性から、古文書や文化財の修復材料として世界中で重用。2014年には、「石州半紙」に加え「本美濃紙」「細川紙」と3つの和紙がユネスコの無形文化遺産として登録され、さらに注目を集めました。
そんな「和紙」が最近は、身にまとうものとしても浸透しています。古くは平安時代、和紙を柿渋で染めて誂えた着物「紙衣(かみこ)」が人気だったそうですが、現在は和紙のデニムやカーディガン、バッグに靴下まで販売されています。吸湿性や断熱性が高く、軽やかで、洗濯機で水洗いできる商品も多いとあってデザインも機能性も申し分なし。和紙は今なお進化を続けています。
「和紙のウエディングドレス」は、上品な質感と軽さが魅力。美濃や越前など和紙の産地を中心に発案・製作されています。世界中の花嫁を魅了し続けるブライダルファッションデザイナー、桂由美さんも和紙で作られたウエディングドレス「WASHI-MODE」というジャンルを確立。ローマコレクションやパリコレクションで、賞賛を浴びています。
皆さんも、Made in Japanの魅力を身に着けて、五感で感じてみませんか?